一老人の思い込み

老人の目から見た日本と世界

自動車トップ企業と中堅企業の提携の思惑

トヨタの資本力と、マツダのデザイン力と技術力

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大企業と中小企業との提携

トヨタとマツダは業務資本提携することを発表した。両者は共同して電気自動車の開発を加速し、米国で電気自動車の製造工場を建設することになった。両者はこれまで電気自動車を発売しておらず、両者の優れた技術を結集して時代の流れに対処することになる。

 

ゲームチャンジャーとしての電気自動車

電気自動車と自動運転自動車が出現して、巨額な開発費用と技術の急激な進歩の時代で、中小の企業はもちろんのこと、トヨタのような世界最大の企業の1つであっても激動の時代では生き残りは容易ではない。

トヨタの豊田章男社長が述べているように将来、車はカーメーカが独占できなくなる。グーグルやアマゾンなどのシリコンバレーの企業が参入の機会をうかがっているからである。

 

トヨタの戦略

トヨタはプリウスやアクアなどのハイブリッド車でここ数年市場を独占してきたが、世界的な排出ガス規制により最近電気自動車が特に注目を集めている。

イギリスやフランスは2040年までにディーゼル車とガソリン車の販売禁止 すると報道されており。大気汚染に悩む中国でも政府が減税や補助金、充電ステーションの整備などで電気自動車の普及を強力に推し進めている。このような状況でトヨタは既存の競争に加えて新規参入のテスラを迎え撃たなければならない。

 

トヨタとマツダ思惑

マツダはこれまで効率の良いガソリン車に特化しており、電気自動車の技術がなかったため、自前で開発するには中小の企業では容易ではなく、有力な提携先としてトヨタを選んだ。一方、トヨタはマツダの優れたデザイン力と高い技術力に惹かれて提携先として選んだ。生産する電気自動車を他のメーカと違いを出すためには使いやすさ、性能、及びデザインで違いを出さなければならない。それができなければ、価格競争で中国企業に敗れてしまう。そのために、トヨタはマツダのデザイン力と技術力に期待している。

 

まとめ

トヨタは電気自動車での戦いでマツダのデザイン力と技術力に期待し、マツダは生き残りをかけてトヨタの資本力に期待して提携した。

 

参考文献

Jonathan Soble et. al, “Toyota to Take 5 Percent Stake in Mazda and Build Joint U.S. Plant”, New York Times 2017-8-4

AIは中国の夢を実現する?

体制維持のため世界から取り残される国

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中国でのAI開発

アメリカはトランプ政権になってからAIの研究費を大幅に削減しているのに対して、中国は莫大な費用を研究につぎ込んでいる。

中国は人工知能(AI)を次世代の革新技術と位置づけ、莫大な資金を投入し、更に世界中から高待遇で研究者を集め着実に成果をあげている。

欧米では政府のAIに対する支出が削減されており、研究者は中国が提供する研究環境と待遇に魅力を感じており、多くの欧米の研究者が中国の大学や研究所で働いている。

多くの専門家は中国のAI技術は米国に僅かに遅れているに過ぎないと考えている。

 

中国におけるAIの用途

中国におけるAIの用途は犯罪の予測、国内に設置された莫大な数の監視カメラを使った人々の監視、交通渋滞の軽減、自前のGPSと連動させた巡航ミサイルの開発、及びインターネットの検閲にあるとされている。

 

海外研究者の役割

欧米では研究予算が削減されているため、研究者に莫大な資金と設備を提供する中国での環境は魅力的であり、多くの一流の研究者をひきつけている。中国では成果は全て国が管理しており、研究が軍事や検閲のために使われていることは知らされていない。

 

中国企業の米国での暗躍

最近の中国のAIに対する取り組みに対して米国の議員や防衛関係者に警戒心を呼び起こしている。

中国の多額の資金が米国の軍事に関わるAI企業にも提供されている。

中国は米国企業に対するAIの支出金額を公表していないため、全容を知ることができないのが現状である。

 

中国のジレンマ

中国は豊富な資金と人材確保を通して、AIで世界をリードすることを狙っているが、政府のトップダウンの政策、官僚主義、及び秘密主義は研究を阻害していることに中国政府は気づいていない。

中国政府の思惑はAIでインターネットの検閲を効果的に行い、国民が政府に都合の悪い情報が入手できなくすることであるが、AIは政府による検閲を弱めることになり、AIに規制をかけなければ、批判を封じることができなくなる。

 

AIの政府批判

中国のインターネット企業であるテンセントが提供したAIが共産党批判を展開することになり、同社は政府の指導を受けてサービスを停止せざるを得なくなった。「共産党万歳」との書き込みに「腐敗して無能な政治に万歳ができるのか」や「あなたにとって中国の夢は何か」との質問に「米国への移住」と答えたからである。政府肝いりで開発したAIが中国政府のリスクになる可能性がある。中国政府がAIで世界をリードしょうとする試みは、虚しい「中国の夢」となる。

 

取り残される人々

AIの出現はパソコンやインターネットの出現以上に人類に大きな影響を与えることになる。中国政府が体制を維持するために、AIに規制をかければ、中国は世界から大きく取り残されるかもしれない。

 

まとめ

  • 中国は産業、軍事、検閲のために革新技術であるAI技術で世界をリードするために、莫大な予算で世界から人材を集め、着実に成果をあげている。
  • 最近、中国国内て提供されているAIが中国政府を批判し、サービスは停止されてしまい、AIは専制政治になじまないことを世界に示した。
  • 中国が体制維持のためAIに規制をかければ、中国は世界から大きく取り残されることになる。

 

参考文献

PAUL MOZUR et. al, “Is China Outsmarting America in A.I.?”, New York Times 2017-5-27

中国は1兆ドルの外貨を失う

中国は為替操作が困難になっているトランプ氏の非難はあたらない

 

.3兆ドルの壁を下回る

中国の中央銀行は2月6日外貨準備高が1月現在約3兆ドルに減少したと発表。3兆ドルの壁を下回ったことは精神的に大きな影響がある。3年前の4兆ドルの外貨準備からの急落。

中国の外貨準備高は2011年に3兆ドルを超えた。当時、中国は世界経済を牽引する成長センターであった。

 

中国の為替操作

中国政府は自国の通貨である人民元の相場を必死に維持している。中国は日用雑貨、電気製品、など廉価の商品を輸出して世界から大量の金が流入するように長年に渡り、人民元の相場が安定させてきた。

 

輸出促進のための中国政府による為替操作

世界の財政原則によれば、金の流入は人民元の価値は他国の通貨と比べて

上昇するはずである。しかし、中国政府は輸出製品の競争力を維持するために、人民元の相場上昇を防いできた。その結果、中国が大量の外貨を保有するに至った。

 

巨額の外貨流入

海外からの金の流入のピークは2014年6月で、外貨準備高は4兆ドルに達した。外貨準備は通貨危機のときのためのものである。しかし、この大量の外貨準備高は選挙遊説中のトランプ氏などの格好の攻撃材料となった。

 

外貨準備高急減の原因

中国は現在でも輸出額が輸入額を大きく超えて、巨額な貿易黒字を出している。毎月の貿易黒字は400から600億ドルに達している。しかし、近年中国の経済成長は顕著に減速している。

中国企業や国民は海外投資や安全のために資産を海外に移し始めた。中国の中央銀行が何もしなければ、資産の流出により人民元の相場はドルに対して弱くなる。

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