一老人の思い込み

老人の目から見た日本と世界

トランプとクリントン 

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アメリカ次期大統領候補

 

 

トランプ

トランプへの支持は保守層のみならず、穏健層や中間層などに幅広く広がった。民主共和党両党の対立で何も決められない政治から生まれたのがトランプ現象である。これは米国の政治が深刻な状況に置かれていることを示すものである。トランプの演説は激怒、皮肉、侮辱に満ちており、型にはまった発言ではなく、自分の言葉で話しており、これが支持を広げた理由である。しかし、大多数の米国民は彼の大統領としての資質を認めているわけではない。

 

クリントン

クリントンは、長官在任中に私用のメールアカウントを公務に使っていたことを追及され、対応のまずさや不透明さからマイナスのイメージを米国民に与えてしまった。有能ではあるが、人間味が感じられず、対立する相手を容赦しない冷たい性格が嫌われる所以であった。サンダース候補との指名獲得競争に苦戦したが、最終的に民主党の指名を確実にした。

 

支持率の変化

トランプは過激な発言で労働者階級の心をつかみ一時は支持率でクリントンを引き離していたが、最近の世論調査では支持率はトランプ39.1%に対してクリント45.3%と差が開いている(6月16から27日)。遊説会場の熱気や支持者の一体感では、クリントンのほうがトランプを遥かに上回ている。

 

トランプは「イスラム教徒は入国させない」などイスラム教徒に差別的な発言を繰り返し、メキシコについては「メキシコは、ベストではない人々、問題があり、麻薬や犯罪を持ち込む人々を送り込んでくる、メキシコとの国境に「万里の長城」を建設し、メキシコにその費用を払わせる」などと発言して、ヒスパニック系住民の反発を受けた。最近では。連邦地裁の判事が「メキシコ系である」ことを理由に自分の訴訟から外れるべきだと主張し、批判を浴びている。フロリダ州で発生した銃乱射事件での発言で党派を超えて大統領に不適格と非難が集まっている。

 

最近、トランプは自身が最も信頼する選挙対策責任者コーリー・ルワンドウスキを解任せざるを得なくなった。彼は、他の主要スタッフとの対立や記者への暴行容疑など、さまざまな問題を起こしていたため、解任された。このため、本選の選挙対策に支障が出ている。

 

さらなる過激発言と逆風の嵐

最近、劣勢を巻き返すために、トランプは英国のEU離脱決定に対して「統治権を取り戻した素晴らしい」と歓迎する発言したり、環太平洋連携協定(TPP)の離脱を表明している。

 

オバマ大統領は「トランプ氏は選挙で勝つために物議をかもしている、これはポピュリズムではなく、移民排斥主義か、皮肉屋だ」と非難し、更に、「貿易協定から撤退し、自国市場に集中するのは誤った薬だ、我々がやらねば中国が貿易ルールを作る、我々が尊重する価値を重要視しない人間かもしれない」とも言っている。

 

共和党は貿易の活発化を推進しており、共和党の支持母体である米商工会議所も6月28日、トランプを公式に非難した。

 

米国のパワー国連大使はトランプが難民の受け入れを拒否する考えを示していることに対し、「アメリカ政府は今年中に少なくとも1万人のシリア難民を受け入れる方針であるが、シリアの難民を追い返せば、過激派は戦闘員の勧誘活動に利用し、テロ行為を行う過激派を利するだけである」と批判している。

 

トランプを高く評価しているのがロシアのプーチン大統領であり「聡明で才能に恵まれた人物であることは疑いがない」と持ち上げている。他の共和党候補がロシアの孤立化政策を訴えるのに対して、トランプは米ロ間の関係強化を主張しているからである。トランプもプーチンの発言を受け、「国内外で高く尊敬されている人物からほめられるのは非常に光栄なことだ」と好意的な発言している。

 

英国のEUからの離脱は、ポピュリストの扇動に乗ってしまうと国内のみならず、世界が混乱することを教えてくれた。賢明な米国民は冷静に次期大統領を選出し、トランプに核のボタンを預けることは望まないだろう。

 

まとめ

  • 米国の格差がトランプ候補を勢いづかせた。
  • 誰もトランプを望んでいない。
  • トランプが選ばれれば、歴史は確実に前の時代に戻ってしまう。
  • 英国のEU離脱の結果が米国人の目を覚まさせる。