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政治経済の動き

世界と日本の政治経済の考察

新フィリピン大統領と日本との関係

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フィリピン新大統領ロドリゴ・ドゥテルテ

 

 

フィリピン新大統領

フィリピンの経済成長率は年6%で中国に次いで高い。その反面、社会の格差は激しくて貧困問題、治安問題が激しくなっている。フィリピン国民は2016年5月に行われた大統領選挙で検察官出身でフィリピンのトランプと呼ばれるロドリゴ・ドゥテルテ氏を選出した。氏は6月30日大統領に就任した。

 

ドゥテルテ氏は検察官出身でダバオ市長を務めた。市長時代、警察権限を大幅強化し治安の回復を務め。過激な発言で知られており、「大統領になったら犯罪者を10万人殺す」「麻薬をやっているダメな奴は殺す」「汚職も犯罪も必ず撲滅、はむかえば”死”」など過激な発言を繰り返してきた。市長時代は警察官による犯罪者の射殺を認め、超法規的手段で治安を回復したと豪語している。犯罪の僕別に全力で取り組む姿勢を強調し、国民の信を集め大統領の地位をつかんだ。

 

民主的な手法で解決するのではなく強権的に解決する新大統領である。まさに、フィリピンのトランプである。

 

新米大統領から親中大統領へ

新大統領はベニグノ・アキノ前大統領の南シナ海の領有権に対する弱腰外交を非難しており、「スカボロー礁は中国にとられた」とか、「スカーボロー礁に行って旗を立てる」と威勢のよい発言を繰り返してきた。

 

アキノ前政権は南シナ海で領有権問題を抱える中国に対しては、国際仲裁裁判所に仲裁手続きを取るなど強硬な政策を取ってきた。これに対して、新大統領は中国がインフラ整備で支援してくれるなら、南シナ海問題を棚上げすると発言している。

 

中国政府は新大統領に祝電を送り、関係改善を図ろうとしており、更に南シナ海問題を棚上げにする代わりに首都圏と国際空港を結ぶ鉄道建設を支援する事を打診しており、新政権は基本的に受け入れるものと思われる。

 

新大統領は中国や南シナ海をめぐる問題への対応で米国からの自立を一段と図る姿勢を示している。

 

日本との関係

日本の安倍政権は前アキノ政権と密接な関係を築いてきたが、親中志向の強い新大統領とのつながりはなく、しばらく様子見の状態である。日本企業はフィリピンに1500社進出しており、フィリピンにとって日本は最大の貿易相手国である。新政権も良好な日本との関係を損なうことは望んでいないと思われるが、中国の出方によっては、関係が悪化する可能性がある。アキノ前政権との間に交わした援助の約束がどのように影響するか不明である。フィリピン前大統領と日本政府の間で中国が中断した鉄道工事を日本政府が引き継ぎ、完成させることになっていた。

 

アキノ前大統領と日本政府の良好な関係が裏目に出た感がある。日本政府は、アキノ政権後をにらんで有効な対策を講じておく必要があった。

 

行き着く先

これまでのところ、新大統領は日本との関係については明確にしていない。新大統領は外交については経験が乏しく、中国が支援をちらつかせて新政権に擦り寄ってくるものと思われる。新政権が親中にかじを切った場合は、アキノ政権と築いてきたフィリピンと日本の良好な関係が損なわれてしまう。また、新政権が中国の甘言に乗り、目先の利益のために南シナ海問題を棚上げした場合は、中国に尖閣諸島に介入する口実を与えてしまい、日本政府は対応に窮することになる。

 

まとめ

  • フィリピンのトランプ出現。
  • 親米路線から親中路線へ
  • 中国政府のしたたかさ。
  • 一国の選挙結果で平和が損なわれる。