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政治経済の動き

世界と日本の政治経済の考察

自動運転車で初の死亡事故

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自動運転車への懸念

 

 

自動運転車

日米欧の自動車メーカは次世代の自動車の核心技術として自動運転技術の開発にしのぎを削っている。グーグルはドライバーが不要の完全自動運転車の試験走行を行っており、米ゼネラル・モーターズも1年以内に自動運転タクシーの試験走行を計画している。日本のメーカではトヨタやホンダが2020年ごろの高速道路での自動運転実用化を計画しており、日産は2016年度中に単一車線での自動走行を実現した新型車を国内発売する予定である。

 

自動運転車で初の死亡事故

2016年5月フロリダ州の幹線道路の交差点でテスラの電気自動車モデルSが前方で左折していた大型トレーラーと衝突した。ドライバーの男性は自動運転モードで車を走行させ、減速すること無く衝突により死亡した。

テスラによると事故当時は当日差しが強く、自動運転装置が白いトレーラに反応せず、またドライバーは眩しさによりトレーラを認識できなかったためブレーキを掛けられなかったと説明している。

テスラの自動運転走行1億3000マイル(約2億km)で初めて死亡事故が発生した。

 

テスラモデルS

2015年10月に米国テスラ・モーターズは公道で運転できる自動運転車モデルSを販売した。モデルS自動運転システムでは、カメラ・レーダー・センサーで周囲の状況を検知し、設定された速度で所定の車間距離を保って走行するが、自動運転中でもハンドルを握ることを要求しており、運転中にドライバーがハンドルから手を離したらシステムが自動的に減速運転に入るようになっている。

モデルSの自動運転システムはドライバーが何らかの運転操作をすれば、すぐに自動運転モードが解除される。テスラの自動運転機能は完全な自動運転ではなく、操作を支援するものである。またテスラはシステムは開発途上で完璧ではなく、ドライバーは常に注意が必要とコメントしている。

 

米国での自動運転車実用化

米国ではグーグルのような無人の公道走行は認められていないが、速度調整、車線に沿った走行など、運転を支援する形での公道での走行はすでに認められている。

 

死亡事故の衝撃

米国では今回の死亡事故に大きな関心を示している。これまで自動運転車のメーカは人間が運転するより安全だと宣伝してきた。ここに大きな疑問符が付けられた。テスラは自動運転技術を他社に先駆けて開発提供しており、旗振り役だけに業界は大きな影響を受けている。

 

自動運転車開発と普及への影響

現在のところ、死亡事故と自動運転機能との関係は明らかではなく、米道路交通安全局(NHTSA)は調査着手は欠陥があるともないとも解釈されるべきではないと表明している。安全性に問題があると判断すればリコールを命じる構えである。

自動運転車の普及が間近に迫る中で起きた今回のテスラの事故により、開発の潮目が変わる可能性もあると国内大手自動車メーカは危惧している。事故を受け、規制当局はメーカの想定をはるかに上回る厳しい規制を要求する可能性があり、各社の開発戦略は練り直しを迫られている。

テスラの死亡事故は自動運転の普及を遅らせる可能性がある。死亡事故により自動運転車に対する世論の受け止め方に変化が生ずることが予想される。ユーザは自動運転車の危険性を再認識する事になった。これまで、テスラはドライバーは不要だ主張し、規制当局はその主張に一定の理解を示してきたが、今回の事故で、より厳しい安全基準を求める声も出てくるものと思われる。

アメリカでは州と政府レベルでルール作りが進められている。争点の1つは自動運転車にドライバーを義務付けるかということであるが、ドライバーが、居眠りしていたり、脇目をした場合は自動運転車は危険だということが判明したため、無人の自動運転車の実現は大幅に遅れることが予想される。安全基準が高まれば、メーカの開発に影響を与え、コストが高騰し、改良に時間がかかることになる。

 

まとめ

  • 次世代自動車核心技術としての自動運転車
  • 自動運転者における初の死亡事故発生
  • 自動運転車普及への懸念
  • 自動運転車への規制強化により、完全自動運転の実現は大幅に遅れる可能性