一老人の思い込み

老人の目から見た日本と世界

ラマダン明けに起こったダッカのレストラン襲撃事件

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テロのグローバル化

 

 

ラマダン明けの夜

事件が起こったのは2016年7月1日金曜日現地時間夜9時過ぎ。場所はバングラデシュの首都ダッカの高級レストラン。犯行グループは銃や爆弾などで武装してレストランに押し入り、客や従業員を人質にとって立てこもった。

 

イスラム教徒にとってラマダンはイスラム暦の9番目の月、預言者ムハンマドが神から啓示を受けた神聖な月で、今年は6月6日から7月5日まで。この期間イスラム教徒は日の出から日没まで飲食が禁じられている。

 

外務省はホームページに渡航情報を出していたが徹底していなかった。ラマダン期間中は警備が手薄になる。テロリストその隙をついてきた。

 

テロが起こった夜、襲撃された高級レストランは外国人客で賑わっていた。テロリストはイスラム教徒は逃し、イスラム教徒でない外国人などを殺害した。人質の数は33人、大半は日本人とイタリア人。テロリストは7人。

 

テロリストがレストランに立てこもっている間に、ISは5度にわたり声明を出した。ISは「十字軍の国の国民たちはイスラム教徒を殺している限り安全でいられないことを知るべきだ」との犯行声明をだした。ISは日本人も十字軍の国の国民として扱っている。

 

人質殺害

翌朝午前7時40分に治安部隊がレストランに突入した。治安部隊の突入前に、人質20人はすでに刃物で殺害されていた。人質解放作戦は10分ほどで終了した。人質13人を救出、犯人6人を射殺、1人を拘束。日本人1人を含む13人が救出されたが、20人の遺体のうち7名が日本人であった。

 

日本人がなぜ犠牲に

日本はバングラディシュが1971年に独立した時、当時の佐藤内閣が世界で最も早く承認した。日本の援助で建設されたジャムナ橋は紙幣に描かれているほど有名である。バングラディシュの国民のほとんどは日本人に感謝の念を抱いている。

 

バングラディシュは経済成長を遂げているが、インフラの遅れが問題となっており、世界最大の交通渋滞が起こっている。殺害された日本人はJICAの新交通システム導入に向けた事前調査を行っていた。

 

バングラディシュはこれまであらゆる宗教に寛容であったが、近年イスラム過激派の活動が活発になっている。2015年9月から6件の異教徒襲撃事件が起きており、同年10月には日本人男性が射殺されている。

 

レストラン襲撃のテロリストはISで訓練を受けたバングラディシュ人でり、いずれも大学を卒業した裕福な家庭の出であると報道されている。ISはイラクやシリアで勢力を失いはじめており、存在感を示すために、アルカイダ化して世界中でテロ起こしている。今回も準備周到にテロが計画された模様である。

 

襲撃されたレストランは安全な地域にあり、殺害された日本人は短期滞在のためテロに対する危機意識が薄かった。

 

ISは武器と実行犯がそろえばテロを起こす。条件が揃った所がダッカであった。

 

対策

テロはグローバル化している。ISは世界のテロを自分たちの都合のいいように取り込んでいる。事件を拡大させ、憎しみの連鎖を起こし、反応が限りなく大きくなる。これがISの狙いである。

 

外務省のホームページの渡航情報くらいでは不十分であり、現地大使館は危険地域にいる日本人に徹底的な注意喚起を行わなければならない。

 

危険地帯に滞在している日本人は国際的の視野で自分たちがどのように見られているかを知ることが重要である。テロは遠い所で起こっているのではなく、身近な所も危険になっている。

 

ISがバングラディシュに手を伸ばしてきたことはアジアも安全でなくなったと理解しなければならない。いま日本人も覚悟が求められている。

 

テロの犠牲者は殺害された人はもちろんであるが、善良なバングラディシュ人が最大の犠牲者である。バングラディシュの人たちは日本政府支援のインフラ整備の遅延や日本企業の撤退を恐れている。

 

まとめ

  • テロのグローバル化
  • 日本人もISの敵である
  • テロに対する覚悟
  • 最大の犠牲者はバングラディシュ人