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政治経済の動き

世界と日本の政治経済の考察

安倍政権による年金の運用損失

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参議院選挙対策としての2016年の実績公表の先延ばし

 

 

年金積立金の運用問題

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2015年度の決算で5兆円を超える損失を出した。

 

GPIFは厚生労働省所管の独立行政法人であり、天下り機関である。職員は運用の知識を持たないため運用は金融機関に委託している。年金に対する安易な運用が巨額な損失につながってしまった。これまで、GPIFは2001年から2014年度までに50兆円を超える運営実績を上げている(GPIFサイトより)。

 

株価対策としての運用割合の変更

これまでの運用実績から、安倍政権は株価を上げるために2014年に運用資産の構成割合を国内債権53.36%、外国債券11.06%、日本株式17.26%、外国株式15.98%から国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%に変更した。その結果、株式の割合が25%から50%に増加した。歴代内閣は年金の積立金の運用は慎重に行ってきたが、アベノミクスの成果を高めるために、年金資金で株価上昇を試み、危惧されていたとおり、失敗した。

 

損失による国民の老後の影響

中国の景気減速と、この度の英国のEUからの離脱により、世界的な株安となり、年金運用も昨年度以上の損失が出たものと思われる。2016年度運用損失は昨年度を遥かに上回ると危惧されいる。通常7月上旬にGPIFは運用実績を公表しているが、今年は参議院選挙投票日以降にずらした。政府は運用実績が選挙に影響を及ぼすと考えているからである。野党は年金運用の株式比率をもとに戻すように要求しているが、政府は見直しに慎重な姿勢を示している。

 

140兆円の資金が目減りすれば、年金積み立て者に対する積立金の増額、支払われる年金の減額、支給時期の先送り、これらのいずれか又は全てを行わないと、年金を計画通りに支払うことは出来なくなる。

 

株式の割合を50%に増加させたことにのみ非難が集まっているが、世界中の国債の利回りがマイナスになっていることにも留意する必要がある。債権も大きなリスクである

 

GPIFの改革

GPIFは改革に取り組んでいることは事実である。不正な会計を行っている企業に対して損害賠償の訴訟を起こしている。6月は東芝に対して9億円の損害賠償の訴えを東京地方裁判所に起こしている。しかし、GPIFはもっと専門性の強い組織にしなければ、激動する時代に対応できず、巨額な損失を生じ、国民の老後の資産が失われてしまう。国民の安全と財産を守るのが政府の役割であるなら、GPIFの組織替えは急務である。

 

まとめ

  • 5兆円超えの年金運用の巨額損失
  • 運用割合の変更による更なる損失
  • 選挙対策としての損失隠し
  • 損失は国民の老後への影響
  • 専門性の欠如した天下り組織の立て直し