一老人の思い込み

老人の目から見た日本と世界

北方領土返還交渉

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安倍首相はプーチと交渉できるのか?

北方領土返還交渉

安倍総理の重要外交課題の1つに北方領土返還がある。日本政府はクリミアやシリア問題でロシアに対しては強い態度を示しておらず、逆に領土返還交渉のを進めるために、積極的に経済支援を提案してアメリカからの反発を受けている。

 

プーチン大統領

ロシアはクリミアを武力を使って併合し、シリアではアサド政権支援のために軍事支援を行いシリア人が多数犠牲になっている、ロシアは国連常任理事国であり、国際法を遵守する義務が求められているのにかかわらず、公然と大国ロシアをめざしている。プーチは国内での支持率は非常に高くなっている。基盤強化のために、政敵、有力政治家、ジャーナリストを多数、公然または秘密裏に消し去っている。ロシアは制度上は法治国家で、民主主義を唱えているが、プーチンは真逆の暗黒政治を主導している。

 

日本における報道自粛

欧米のメディアはロシアによるクリミア併合やシリアの空爆により多数の犠牲者がでていることを連日のように伝えている。日本では欧米と比較して、報道のトーンが低くなっている。日本政府は、ロシアとの関係を悪化させないために、ロシアへの非難は極力抑え、この姿勢をマスコミにも従わせようとしている。

 

今年2月、高市総務大臣は放送法違反による電波停止命令を是認する発言を行い、マスコミは政府批判に腰が引けてしまった。つまり政府が望まない情報はトーンを落として報道するようになった。

 

この結果、日本では、シリアの悲惨な状況は積極的に報道されていない。

 

 北方領土返還交渉

終戦後、不法に日本の北方領土であり、現在ロシアが実効支配している択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島の島々の返還を要求しているが、一向に進展していない。日本の北方領土はロシアにとって戦略的に重要であるため、返還には応じていない。日本の外交評論家は、プーチン大統領の支持率が高い理由はかっての領土であったクリミアを武力で併合したからであり、ロシアが実効支配している北方領土を日本に返還すると支持率が低下すると予想し、返還を実現するためには、ロシア国民説得のために、経済支援が不可欠だと解説している。

 

たしかに、ロシアのクリミア半島併合に対して欧米諸国は経済制裁を課し、これにより、国際的な資源価格低下も加わり、ロシア経済は苦境に陥っている。

 

日本政府は、昨年より、多くの経済支援計画をロシアに提示しており、12月にはプーチン大統領を日本に招いて、首脳が直接会談することにより、北方領土返還交渉を加速させたい思惑がある。

 

アメリカの圧力

これまで日本の外交はすべてアメリカの顔色をうかがっていた。これまでも、日本政府はプーチン大統領を日本に招いて、北方領土返還交渉を計画していたが、ロシアのシリア支援やクリミア併合問題が影響して実現しなかった。アメリカ大統領候補であるクリントン候補はオバマ現大統領の路線を引き継ぎ、ロシアに対しては強硬な姿勢を貫くと思われる。もし、トランプ候補が選ばれた場合は、アメリカの政治は一転し、内向きに変わるものと思われる。プーチンはアメリカ大統領戦に非常な関心を示し。違法なハッキングを仕掛けて、候補の情報を盗み出している。プーチンはトランプ候補が大統領になることを望んでおり、トランプ候補ははプーチン大統領を評価さえしている。

 

日本政府の戦略

クリントン候補が大統領に選ばれた場合は、日本がロシアに経済支援することをは歓迎しないはずである。アメリカからの横槍を防ぐために、プーチン大統領を日本に招待する時期を12月に設定し、アメリカ大統領戦直後で、日本はアメリカからの圧力は受けないだろうと日本政府は判断している。

 

領土返還交渉のの行方

民主党の能力不足と失政で国民の信を失い、2012年に自民党は政権与党に返り咲いた。安倍政権誕生で総理は積極的に経済外交政策を打ち出している。経済政策であるアメノミクスは成功していないが、外交ではそこそこ成果をあげている。領土返還交渉相手のプーチン大統領はクリミアやシリアの問題で西側諸国から避難を浴び、経済制裁まで課されている。しかし、国内では批判的な政治家、実業家、ジャーナリストを多数、非合法的に殺害し、今や反対勢力はほ壊滅している。この結果、プーチン大統領は表面的には高い支持率を得ている。しかし、原油安と西側の経済制裁により、経済はどん底である。この機に、ロシアが喉から手が出るものを日本が提供すれば、ロシアは領土返還交渉で多少の譲歩を行えると日本政府は考えている。しかし、日本政府はプーチンの権力を過小評価している。プーチンは合法的にも、非合法的にも思い通りのことを行っている。マスコミ操作により、世論を意のままに誘導している。従って、領土返還に何ら障害はない。領土返還には世論が納得しないとのロシア側の主張は、日本からよりよい条件を引き出すための駆け引きにすぎない。

 

ロシアの外交能力は日本より格段に高い、オバマ政権が心配しているように、安倍政権は外交成果を急ぐあまり、プーチンに足元を見られないことが肝要である。