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政治経済の動き

世界と日本の政治経済の考察

国連はアレッポを救えるか?

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ロシアの国連安全保障理事会での拒否権を封じる方法。

シリアの医療施設への爆撃

10月の初め、シリアのアレッポにあるカタール赤新月社(イスラム教諸国における赤十字社)が運営する医療施設がシリア軍の爆撃を受けた。爆撃により、入院患者2名が死亡し、8名が負傷した。施設の半分が破壊された。カタール政府は施設の閉鎖を余儀なくされた。私設の責任者はこの攻撃を戦争犯罪だと非難した。

 

シリア政府とそれを支援しているロシア政府は何をしているかわかっているはずである。しかし国連では、この戦争犯罪を糾弾されることはない、常任理事国であるロシアが拒否権を行使するからである。

 

シリアの惨状

シリアのアサド氏は大統領に就任してから5年間、国民の抗議に対して残忍な殺戮を繰り返している。約50万人のシリア国民が内戦で死亡し、数百万人がアサド大統領が国民に使った爆弾と塩素ガスから逃れるために国外に脱出した。

 

戦争が泥沼化するにつれてアサド政権の民族浄化と人道に対する犯罪は凶暴になり残酷さを増してきている。

 

アサド大統領の残虐行為に対して、加担している国がある。多数の死傷者と国土の破壊に共同して責任を追うべきである。

 

停戦が行われても、アサド政府軍は一方的にこれを破棄しているが、ロシアの拒否権により、何ら罰を受けていない。

国連の機能不全

シリア人に対する残虐行為を停止させるためにあらゆる手段が使えるようにするための決議が多数出されたが国連安全保障理事会は採択できなかった。

 

2005年に戦争犯罪と人道に対する罪を防止すつための保護責任の原則が国連全加盟国により支持され、シリアに対する国連主導の介入の基礎となっているべきである。

 

過去5年間、保護責任の履行の決議がロシアと中国の反対にあって繰り返し見送られている。決議が採択さないことによりシリア政権は自国民の殺戮を繰り返している。アレッポで現在進行している人道主義の危機は国連の機能不全を示している。

 

藩国連事務総長の責任

国連の藩事務総長は常任理事国の顔色を見るだけで、指導力が発揮できない、韓国人を重用し、母国を特別扱いする。10年間の在任中、不評を払拭できず、安保理改革の意欲も意志もなかった。総長任期終了後の思惑のため、昨年9月に北京で開かれた「抗日戦争勝利70年」の記念行事に出席し、中露韓の首脳と並んで、軍事パレードも視察した。潘氏は、来年の韓国大統領選で出馬をもくろんでいると噂されている。藩氏在任期間に、世界は平和から程遠い状況に置かれ、国連が国際平和に無力であることに貢献してしまった。

 

シリアの政権ととロシアによるシリア人殺害を国連は有効に防止できなかった。国連の運営を率いてきた藩事務総長の責任は重い。

 

国連を機能させるための努力

1990年代のルワンダにおける大虐殺を防止するための軍事介入に国連が失敗した後、NATO軍が介入してコソボで緊迫した大虐殺を防止することが出来た。

 

無辜の人々が無慈悲に大虐殺の犠牲になっているときは、大虐殺を止めるのが国際社会の役割である。今が、国連の保護責任の下、シリアにおける無辜の人々を救い出すために、国際社会が団結すべきときである。

ロシアへの圧力

西欧諸国はロシアの関係を損ねたくないので、ロシアに対する抗議は消極的である。

 

日本は北方領土解決のため、ロシアに経済支援さえもちらつかせおり、戦争犯罪を追求する姿勢は全く見えてこない。日本は与党も野党もシリアの殺戮に無関心である。12月のプーチン大統領訪日で日本の平和団体が本物か偽物かが判明するはずである。

 

アメリカでは大統領の消極姿勢と共和党が議会の多数派であるため、ロシアに対して有効な圧力が加えらていない。

 

国連はロシアや中国の拒否権により、シリア軍とロシア軍によるシリア国民への虐殺を止めることが出来ない。停戦が行われても、シリア政府軍の違反により殺戮が続いている。シリア政府への責任追及と残虐行為の停止させるための国連の介入はロシアや中国の拒否権で葬り去られている。

 

拒否権封じの決議377A

国連安全保障理事会がロシアや中国の拒否権により、シリアの国民を救出来ないときは、総会で議決377Aの履行を要求することが出来る。これは拒否権封じの強力な決議であり、「平和のための結集」決議と呼ばれている。

 

議決377Aを有効に使うことにより、どの国が平和を求め、どの国が殺戮に加担しているかが明白になる。

 

新国連事務総長に期待

国連安全保障理事会はポルトガル元首相のアントニオ・グテレス氏を次期国連事務総長に選出した。国連総会の承認を経て、来年1月1日に就任する。

 

グテレス氏は、国連難民高等弁務官を10年間務めており、難民急増など緊急事態への機動的な対処能力を高め、官僚的体質の改善や経費削減でも成果を上げた。米国と対立を深めるロシアも反対に回らなかった。グテレス氏には国連改革と、平和実現のための貢献が期待される。

 

新総長に選出されたグテレス氏には国連改革への期待と、決議377Aが行使できる環境を作り出してもらいたい。