一老人の思い込み

老人の目から見た日本と世界

ドゥテルテ大統領の戦略

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反米を唱えながら、親日はそのままで、親中政策で多くの支援を画策するフィリピン大統領

フィリピン大統領ドゥテルテ氏は中国の訪問で、南シナ海の領有権問題を棚上げする見返りに2兆4千億円の巨額の投資を呼び込むことに成功した。欧米に対する過激な発言、麻薬の取締では法律を無視した取締で、欧米から激しい批判を浴びているが、フィリピン国民の支持は依然強い。

 

ドゥテルテ氏が中国を訪問する前、南シナ海の領有権の棚上げや、アメリカの基地の撤去や、アメリカとの同盟関係の見直しを力説し、準備万端で中国入りした。過激な発言に中国側は心証を良くして、ドゥテルテ氏を手厚くもてなした。ドゥテルテ氏は中国から予想以上の成果を引き出すことが出来た。

 

中国の論調では、中国政府はフィリピンに与えすぎたのではないかとの政府批判まで出ている。

 

反米、親中のドゥテルテ氏の日本に対する態度はどうであろうか。どうも、親日のようである。ドゥテルテ氏は訪日前、テレビのインタビューで日本は兄弟以上の国だと考えており、これまでの支援に非常に感謝していると語っている。

 

フィリピンのアキノ前大統領は親米、親日で分かりやすかったが、ドゥテルテ氏は非常にわかりにくい。安倍首相は対応に苦慮しそうである。

 

フィリピンの前政権に対して日本政府は巡視船の供与などを約束しており、日米それにフィリピンとで中国に対抗することを期待していたのに、新大統領は親中、反米である。

 

実際、ドゥテルテ氏はアメリカを言葉の上では強く非難しているが、これは中国から多くの支援を得るための作戦だとしたら、すごい政治家であると言わざるをえない。

 

これまでのフィリピンの最大の支援国であり最大の輸出相手国は日本である(2015年の統計では日本(21.1%)、米国(15.0%)、中国(10.9%)であった)。

 

日本がこれまでフィリピンに行った支援や投資は、今回フィリピンが中国から得られる支援を遥かに超えている。2006年に行った経済支援は約272億円に達しており、この金額はインドネシアとベトナムに続いて第3位であり、2011年末までに日本がフィリピンに行った直接投資は1兆円に達している。

 

フィリピンは、日本との関係をこれまで以上に発展させつつ、アメリカとの関係が多少損なわれても、中ロに接近し、よりよい関係を築きたいようである。

 

ドゥテルテ氏はフィリピンが産んだ最大のビジネスマンかもしれない。