一老人の思い込み

老人の目から見た日本と世界

FBIが大統領選に介入

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トランプ陣営からの中傷と、クリントン陣営からの攻撃。

FBI長官ジェームズ・コミー

オバマ大統領は2013年9月ジェームズ・コミー氏を米連邦捜査局(FBI)に任命した。コミー長官は、民主、共和両党から高潔な人物と評価されてきており、その評判にこたえようとした結果、投票日を目前に控えた大統領選に介入してしまった。長官は日頃からFBI初代長官のフーバ氏がかって行った公民権運動の指導者を盗聴し自殺に追いやるなどの違法な捜査を常々批判してきていた。

 

フーバ長官との比較

米国最大の法執行機関はいかなる政治圧力や腐敗から捜査の独立を保たなければならない。今回の長官の発言は自身に痛手となってはねかえって来ている。クリントン候補のメール問題のFBIの捜査を再開するとの世間の意表をついた発表を行った結果、コミー長官は悪名高きフーバ長官と比較されることになった。

 

独善的性格が選挙を混乱させる

コミー長官はクリントン側やトランプ側からの批判には一顧だにしていない。彼が責任を追求されるとすれば、彼はFBIの長官の地位に自惚れており、独りよがりで、清廉潔白であることを世に示したために、大統領選挙に介入してしまった点である。実のところ、コミー長官は自分が正義のヒーロであることを世に示したかっただけである。

 

この結果、コミー長官はFBIを激戦の選挙戦に介入させてしまい、法執行機関の長い間守られてきた伝統を二度に渡り破ってしまった。

 

しかし、フーバ長官の1948年の大統領選挙における秘密の政治工作とは異なり、コミー長官の発言は局の合法活動の範囲内であることも事実である。

 

議会証言

コミー長官は7月に議会で、クリントン候補は個人のメールサーバーを使用したことで罪を問われることはないが、彼女の行為は非常に不注意であったと証言した。先週の金曜日には、議会で、当局がクリントン氏の再捜査を必要とするメールを発見したと証言した。

 

フーバ長官は一方の大統領候補に肩入れした。これに対して、コミー長官は異なる時期に両陣営に肩入れしたとの批判を浴びている。7月には、長官はクリントン氏の悪事を隠蔽するものだとのトランプ陣営からの中傷を浴び、今度はトランプ氏への不当な政治的援護を行ったとクリントン陣営からの攻撃にさらされてしまった。

 

議会証言内容の履行

コミー長官は9月に議会の委員会で共和党の議員から集中攻撃を浴びた。これに対して、長官は当局は絶えず価値のある情報を調べていると述べて批判をかわした。コミー長官は7月の声明により新たな公表が不可避になったと判断したようである。当局は議会に対して捜査内容を知らせていなかった。そのため、最近、長官は調査は終了したと繰り返し証言したので、捜査内容を知らせる義務があると感じていた。

 

独善が一国の政治を揺るがす

しかし、司法省の規則によれば、コミー長官の2度に渡る公表は誤りである。法律の専門家によれば、コミー長官はクリント氏の調査は終了したとだけ証言すべきであった。長官の最初の誤りは、クリントン氏のメールのずさんな取扱を批判したことにある。事件の捜査を終了すると決定したら、捜査対象者を批判すべきではない。捜査対象者は防戦のしようがないからである。

 

まとめ

コミー長官は自己の独善的で軽率な証言は、FBIに泥を塗り、更に大統領選挙に介入してしまった。トランプ氏が大統領に選ばれたら、コミー長官の名前はアメリカ政治史に永久に残ることになる。