一老人の思い込み

老人の目から見た日本と世界

習近平の悩み

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核心的指導者は中国のこれまで蓄積してきた諸問題を解決できるか?

中国の現状

これまで中国は開放政策による高度成長で莫大な富を築いてきた。この富の多くはグローバル化に成功した企業と共産党の支配下にある国営企業とで分配されてきた。その為共産党員で貧しい者はいない。しかし一般庶民は国の成長による恩恵を受けていない。一流大学を卒業しても就職できない学生が多い。上海や北京などの大都会では経済が回り、人々の生活が豊かになっているが、国のバブル政策で、住宅は未だにマネーゲームの戦場となっており、一般庶民が住宅を手に入れることが困難になっている。共産党員と富裕層とそれ以外の国民で経済格差が生まれ。この格差はますますひどくなり、国民の行政に対する不満も日増しに強くなっている。

 

これまで、中国は経済成長で都市部の国民は豊かな生活を手に入れることが出来、欧米などの自由がなくとも、国の政策に満足してきた。しかし、経済成長に陰りが見られ、住宅バブルの崩壊による、経済危機が目前に迫っている。

 

習近平国家主席

習近平国家主席は毛沢東を敬愛した革命家であった共産党長老の習仲勲の息子である。彼はアラブの春やソ連崩壊を目の当たりにして、中国共産党がいつか権力を失うのではないかを恐れている。

 

習近平はエリートとして強大な政治権力を手にしているが、国民の信頼を得ているわけではない。国の指導者として4年を経た現在でも、彼の権力には不安定さが垣間見られる。

 

党の政策の多くは実行できておらず、市や省のトップは中央政府を嘲るように独立国にように振る舞っている。

 

習近平は側近の浙江省の役人である蔡奇氏を北京市長に任命した。蔡奇氏は習近平が最近設立した国家安全保障局の上級職として勤務しており、来年、北京市共産党総書記の後任に就任する予定である。市共産党総書記は市長より高い権限がある。このように、自己に最大の権力を集め、政府の中枢を取り巻きで固めて、諸問題の解決に当たろうとしている。しかし、中国が直面している問題は権力の集中と人事だけでは解決しない。

 

権力集中の手段

上海のビルには一面習近平のポスターで覆われている。習近平に核心的指導者に任命したことは彼の周りに国民を結集させようとする強力な政治運動である。

 

習近平は信頼できる腹心を党の役職、軍部、及び治安機関への配属を積極的に行っている。これは政府が立案する政策の実行が妨害されたり、政策が失敗した場合、習近平が批判の矢面に立たされないための策である。

 

習近平の新たな権限を強化しようとする政治運動は彼に対する忠誠が昇進の条件であることを示している。

 

中国の諸問題の解決を妨げているもの

しかし、習近平への媚は党に対する脅威を取り除く努力を妨げている。これらの脅威は「4つの大きな試練」として先週取りまとめられた。これらは権力の維持、国際経済への国の積極関与、市場の変化への対応、及び不確かな外部環境への適応である。

 

習近平は中国が緩やかではあるが、より持続可能な成長に移行することと、腐敗の取締により政府の機能が向上することを期待している。

 

習近平に強力な権限を与えても中国の問題は解決しないと識者は考えている。

 

低利金融は成長を後押しするが、融資はすでに危険レベルに達している。

 

まとめ

  • 習近平の強大な権限を更に強化したが、期待、決定の重責、及び反発のリスクが高まっており、失政がやがて国民の目に触れることになる。
  • 天安門事件時に武力を使った鎮圧に反対した党主席は解任された。この轍を踏まないように、習近平は強権政策を変えることはないはずである。
  • 彼は下り坂を転げてゆくしか無い。彼に方向転換の発想はない。