一老人の思い込み

老人の目から見た日本と世界

中国の経済成長が象を絶滅させる

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中国では象牙はステータスシンボル! 

中国における象牙取引の禁止

中国政府は昨年12月、国内における象牙取引禁止を発表した。今年3月31日を目途にすべての国内象牙取引登録業者の取引を禁止し、年内には国内の象牙取引市場を廃止するとの報道があった。

 

アフリカ象の急減により、1990年以降、ワシントン条約によって象の国際取引は禁止されている。しかしそれ以前に輸入したという前提で、取引が行われている。そのため密猟は今もなお増加しており、毎年約3万頭の象が密猟により殺害されている。

 

過去10年間でアフリカの何十万頭の象が殺されている。中国の象牙需要を満たすために、子供の象も容赦なく殺されている。ある動物学者は象の絶滅が防げるかは中国政府と、中国国民にかかっていると断言している。

 

中国政府はこれまで象の個体数減少は中国での象牙取引が原因ではないと繰り返し主張してきたが、ここに来てようやく世界最大の象牙市場の閉鎖に踏み切ることにした。

 

中国における象牙の取引

専門家によれば、密輸された象牙の50から70%は中国で使用される。中国には合法的な象牙加工業者や販売店が無数にある。

 

中国では象牙の取引には1989年の象牙取引禁止条約前に取得されたことを証明する書類が必要である。

 

しかし証明書は容易に偽造でき、象牙販売店の象牙は違法に輸入され証明書が偽造された物が多い。

 

市場閉鎖が効果がない理由

専門家は中国政府が取引所を閉鎖しても中国人が象牙を必要としている限り象の殺害はなくならない理由をあげている。

  • 中国では象牙はステータスシンボルであり、取引が制限されればますます人々が欲しがるようになる。
  • 中国政府が象牙市場を閉鎖しても、役人の腐敗により違法な取引はなくならず、象の殺害は続く。
  • 麻薬と同様に、象牙の取引を禁止することにより価格は上昇する。
  • ベトナム、ミャンマー、フィリピンなどの近隣諸国が同様な政策を取らなければ、中国人はこれらの国から象牙を購入するので、象牙の需要は高まる。
  • 中国の象牙加工工場はは規制を逃れるために、ベトナムに移転している。

 

象牙需要が増加した背景

中国では象牙はステータスシンボルであり、ブレスレット、ショットグラス、置物、箸、櫛、などに多く使われている。中国が経済成長するに従って、象牙の需要が増加して、象の個体数が激減してきた。

 

密輸業者の暗躍

犯罪グループは密猟者から象牙を入手してアジア諸国に送る。その際政府の役人に賄賂を渡して見逃してもらう。象牙はアンチョビやチリペッパーに同包され、麻薬犬による検出されないようにしている。

 

視点

中国が象の絶滅の責任を認めて取引を禁止しても、禁止条約以前の象牙は対象外である限り、需要はなくならない。流通量が減れば価値が高まり、密猟者による象の殺害は続く。中国では役人の不正が横行しているため、規制は効果がなく、やがて象は絶滅に向かう。

 

参考文献 "Closing China’s Ivory Market: Will It Save Elephants?", New York Times 2017-1-2