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政治経済の動き

世界と日本の政治経済の考察

トランプとロシアとの関係を示す文書の公表

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元英国情報部員がまとめたトランプ氏とロシアに関する情報がアメリカを揺るがしている 

アメリカの情報機関がどのような経緯でトランプ氏に関する不名誉な情報をオバマ氏、トランプ氏、及び議員に配布するに至ったのか?

 

これまでの経過

2015年9月、トランプ氏を嫌っている民主党支援の富豪がワシントンの政治調査会社フュージョンGPSに対してトランプ氏のスキャンダルにつながる情報の調査を依頼した。

 

2016年6月、民主党を狙ったロシアによるハッキングの証拠が見つかると、フュージョンGPSは英国情報機関の元諜報員クリストファー・スティール氏にトランプのロシアとの関係を調査するように依頼した。

 

トランプ氏が共和党の大統領候補に選出されることが明確になると、クリントン氏支持の民主党支援者がトランプ氏のスキャンダルの情報の調査を依頼した。

 

スティール氏はロシアとの豊富なコネクションがあり、得られた情報を数十件のメモとしてまとめた。

 

このメモにはロシアの役人がトランプ氏の性行為の盗撮や事業で彼を買収したことで彼を脅迫し、影響を及ぼそうとしているとの未確認の情報が含まれていた。

 

このメモには更にトランプ氏の選挙運動員がロシアの工作員に会い、民主党全国委員会やクリントン選挙責任者のメールや文書のハッキングや漏洩について話し合っていたとの情報が含まれていた。

 

フュージョンGPSやスティール氏はメモを最初に依頼者に提供しその後FBIや主要メディアに提供した。

 

合計35ページのメモが多数の議員に渡っている。

 

1月上旬に、FBI、CIA、及び国家安全保障局がロシアのハッキング及び大統領選挙への影響に関する秘密報告書をオバマ氏、トランプ氏、及び議会指導者に提出した。

今後の展開

FBIはメモの情報を調査しており、民主党はトランプ氏の選挙運動員が選挙戦の最中にロシアの工作員と会っていたとの情報について徹底的な調査を要求している。しかし、1月20日にはトランプ氏はFBIやその他の情報機関を取り仕切ることになるので、調査を認めることはない。

 

FBI長官コミー氏はクリントン氏のメールについては取り上げたが、トランプ氏の疑惑については取り上げなかった。コミー氏は弁明を行う義務がある。クリントン氏のメールについてのコミー氏の報告はFBIの慣例を破るものである。

 

視点

  • FBIの調査結果は選挙結果に影響を与えるとして、公表が差し控えられた。しかし、クリントン氏のメール問題の再調査をするとの決定が行われた。コミーFBI長官の行為はトランプ氏を有利にし、クリントン氏を不利にして、大統領選挙に関与してしまった。コミー長官自身の調査が必要となっている。
  • トランプ氏のロシアとの関係が明らかになった場合、非難をかわすために、新たな攻撃先を見つけることになる。イスラム、中国、それに日本が標的となる可能性がある。 

  

参考文献: "What We Know and Don’t Know About the Trump-Russia Dossier" by Scott Shanejan, New York Times 2017-1-11