一老人の思い込み

老人の目から見た日本と世界

トランプの誤った考え ― アマゾンによる小売革命

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アメリカ人の雇用を奪っているのは中国ではなくアマゾンである

アマゾンは大量の雇用を奪っている

アマゾンはトランプ大統領の批判に答えて来年、米国で10万人の雇用を作り出すと言っているが、この数字は根拠が無い。

アマゾンの成長は現在の小売業での仕事が無くなることを意味している。実はアマゾンは中国以上に米国から雇用を奪っている。

 

アマゾンによる小売革命

アマゾンは消費者の購買方法を激変させてしまった。消費者は専門店やモールに行かなくとも、日用品から電化製品まで何でもネット通販で購入することが出来る。しかも、その日のうちに。アマゾンはネット通販の約半数を押さえている。

 

アマゾンは低価格と便利さを消費者に提供

消費者はアマゾンから低価格で、容易に物を購入出来る。消費者はスーパやデパートに行かなくとも、その日のうちに欲しいものを手に入れることが出来る。本も、音楽も、映画も瞬時に楽しめる。

 

アマゾンの犠牲者たち

消費者が多くの物をアマゾンから購入するようになった結果、小売店の多くは規模を問わず打撃を受けている。イオンやヨーカドーなどの大型スーパーから従来の小売店まで。コンビニや生鮮食品店などが例外的に影響を受けていない。大都市で消費人口が多くとも、従来の小売業は大きく売上を落とし、従業員の削減や店舗の閉鎖に追い込まれている。既存のスーパではコストを削減するために、自動レジを導入して人員を削減している。

 

アマゾンのショールームとしての大型店

かって、デパートは小売流通の花形であった。しかし、どこも売上を落としており、地方のデパートは軒並み閉店している。日常使用する商品はネット通販で購入し、見なければ変えないものは、大型店で実物を見て、安ければ買い、高ければネットで買う人が増えている。そのため、大型店はアマゾンのショールーム化している。そこで、大型店はネット通販では出来ない大型製品の据え付けや修理に力を入れることになる。

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アマゾンの影響を受けない業種

アマゾンの急激な成長により多くの仕事が失われている。しかし、業種によっては影響を受けていないものもある。例えば飲食店はネット通販から無縁である。人は外食が好きだからである。レストランは料理人、ウエイター、皿洗いが必要なため雇用は減らない。更に、カーディーラーも雇用が減らない。車のセールス、修理要員が必要である。

 

アマゾンによる雇用

アマゾンは国内に数か所の巨大な配送センターを有し、多くの雇用を生み出している。しかし、アマゾンでは通常の小売業の半分の人員しか必要としない。

アマゾンにおける主要な業務はピッカーと呼ばれ、配送する商品を選別する作業員である。アマゾンはピッカーを大量に雇用するといっているが、彼らの仕事もアマゾンにより脅威にさらされる運命にある。

 

アマゾンは雇用を削減している

アマゾンは小売の自動化の最前線にある。アマゾンの配送センターでの作業はロボットに置き換わってきており、やがてピッカーは完全に不要になる。

 

アマゾンによる実店舗への進出

アマゾンはネット通販だけではなく、実店舗へも参入している。アマゾンの実店舗では顧客が自分で商品をカゴに入れ、代金が自動で計算され、カードで精算される。ロボットが棚に商品を自動的に補充する仕組みを考えている。すなわち、無人店舗である。アマゾンの実店舗はコンビニの無人化版になる可能性がある。セブンイレブンやローソンも安全ではなくなった。

 

視点

トランプはアメリカの雇用を守ると言って、大統領になれたが、これまでの単純作業はもちろんのこと、熟練作業もすべてロボットに置き換わってゆく、企業を非難するのではなく、国民が職が得られるように、再教育することが必要である。アマゾンの無い生活は考えられないのだから。

 

参考資料:"Amazon is going to kill more American jobs than China did" by Rex Nutting, Dow Jones 2017-1-20