一老人の思い込み

老人の目から見た日本と世界

中国の大気汚染とトランプによる米国の環境規制緩和

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トランプによりアメリカの空気は北京のように汚れてしまう

 

北京の空気

飛行機が北京の空港に近づく20分前から厚いスモッグが現れる。

北京に滞在すると、1から2日で、自分は喫煙者であるかのような錯覚におそわれる。喉の奥に空中の微粒子が付着して、喉が痛みだす。1週間も滞在すると、症状は更に悪化する。汚れた空気は茶色を帯びた灰色で、歩行者の多くはマスクをして、体を丸めて歩いている。

 

北京市民のでの生活

スモッグ警報が出たときは、北京の市民は屋内に居なければならない。大気汚染により、老人は死に、未熟児が生まれる。

 

共和党主導の政策環境保護規制の弱体化

共和党が多数を占めるアメリカ下院は今月、規制説明責任に関する法案を可決した。この法案は大統領に、大衆への十分な告知の義務を課すこと無く、過去50年の環境保護を含む、一連の政府の規制を撤廃する権限を与えるものである。この法律は国民の健康よりも企業の利益を優先させて、1972年の大気清浄法でさえ効力を弱めることが出来る。

 

論理のすり替え

トランプ氏は、厳しい公害規制は企業の海外移転を促進し、アメリカ人から仕事を奪っているとする陰険な論理を持ち出して環境法を攻撃している。しかし、アメリカの企業は海外に移転する理由は低賃金、課税のがれ、及び市場へのアスセスが理由である。環境コストは企業が海外移転する小さな理由にすぎない。

 

企業活動を住民の健康に優先させる国

北京のスモッグで咳き込む市民を目のあたりにするとき、国の発展のために、住民の健康が犠牲になっていることがわかる。大気汚染により中国では毎日4400人が死亡していると推定されている。これに対して、アメリカでは大気汚染による死者は1日548人である(MITの調査による)。

企業負担対住民負担

新たな環境規制が検討されると企業は負担費用の増大に過敏に反応する。

企業の負担は増えるかもしれないが、住民の健康被害が防げ、医療費の負担が減りる。さらに、健康で働けることによる生産性向上による効果はそれを遥かに上回ることを忘れてはいけない。

空気がきれいになれば、喘息や他の病気も減り、子供の学校の病欠や、労働者の欠勤も減る。病気による、早死も減る。

 

トランプが大統領遊説で非難した公害規制

トランプ氏がウエストバージニアの炭鉱労働者に対する大統領選遊説で、彼らが活躍する場をなくさせたと非難した公害規制こそがアメリカを活気づかせ、競争力を与えてきたものである。

トランプ政権が経済連携協定(EPA)で撤回したい項目はクリーンパワー・プランである。これは石炭火力発電所からの排出ガスを削減するために、ガス火力発電所への転換を促すものである。微細粉塵の大気汚染を減らしアメリカ人の健康を守っている。自動車産業の新燃費基準は運転者の燃料代を減らし、車による大気汚染を低減させるものである。

 

EPAでの規制の恩恵

EPAでの規制は経済的に合理的である。技術が向上し、これまで不可能と思われていた対費用効果が実現できる。この結果、仕事が海外に奪われることなく、例えば、石炭火力発電からガス火力発電へと、産業の転換が行われる。

 

視点

  • トランプのアメリカ第一主義は、企業のためのものであって、国民のためのものではない。
  • 大統領選挙戦中に石炭産業の街を訪れたとき、トランプ氏は炭坑労働者の職を取り戻すことを約束し、炭鉱業を復活させると誓った。
  • トランプ政権が、地球温暖化は嘘だと言って、化石燃料業界のために環境規制を緩和し、温室効果ガス排出量を危険なレベルまで上げることになる。規制を緩和しても、石炭産業が復活することはあり得ないし、温暖化はより一層の自然災害をもたらし、トランプの悪名は、長く歴史に残ることになる。

 

参考資料:" In Beijing, and Washington, a Breath of Foul Air" by Richard Conniff, New York Times 2017-1-21