政治経済の動き

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中国の司法の責任者が司法の独立を否定

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中国の司法制度は権力を保護する安全装置である 

中国最高人民法院長周

最高人民法院長の周强氏は急進的な司法改革者ではないが、リベラルな法律専門家からは期待されていた。

 

中国の司法改革

中国の司法組織は共産党の従属しているものの、周氏は近年先頭に立って司法改革を推し進め、司法研修により裁判官のレベルの向上を目指してきた。

 

共産党指導下の中国の司法制度

周氏は1月21日の演説で司法の独立及び自由の原則を非難し、裁判官たちに西欧のイデオロギーの罠にかからないように警告。この演説を聞いた会議の参加者は強い衝撃を受け、落胆した。

周氏は演説で『立憲民主主義』、『三権分立』、及び「司法の独立』を断固拒否しなければならないと力説。、

周氏は更に裁判官たちに国の指導者や英雄のイメージにより断固として共産党と人民解放軍の輝かしい歴史を断固として守り抜くことを求めた。

 

最高人民法院長の政権寄りの演説の背景

最高人民法院長の演説は習近平総書記への恭順の意を示すためのものだと見られている。習近平は市民活動の監視、毛沢東崇拝をの推進、反政府的報道の排除、ネット検閲を1年に渡り指揮していた。

 

演説の影響

最高人民法院長の演説は公平な司法制度の創設のために数十年に渡る司法関係者の努力を葬り去ることになる。この演説は中国の法律学者の発言を封じ込め、学問の自由や実績を無にするだけでなく、身の危険にさえ曝されてしまう。

 

法律専門家からの非難

北京大学の法学部教授の贺卫方氏は最高人民法院長の演説は国民の人権を踏みにじり、これまでの司法関係者の努力を無にするものだ批判。同教授は、1000年前に法の独立を唱えた包拯という裁判官を引き合いに出して、法の独立を西欧の概念だと決めつけるのは誤りだと指摘している。

 

政権の安全装置としての司法制度

習近平は政治と司法は政権の安全装置だと考えている。

最高人民法院長の演説は習近平による毛沢東の歴史上の失政による悪いイメージを払拭しようとする試みに一致している。中国共産党は2013年以降、毛沢東の1950年代に行われた悲惨な経済政策とその後、国に大きな混乱をもたらした文化大革命を含む毛沢東と党に対する屈辱を意味する「歴史的暴力革命主義」の表現に反対してきた。

最近、中国政府は毛沢東に対する否定的な発言を厳しく取り締まっている。

 

周最高人民法院長のジレンマ

周氏は中国共産党政治局員ではないが、共産党指導者の候補者としてたびたび取り沙汰されてきた。

周氏を知る人は、彼は法律の教育を十分受けており、司法制度の改革のために情熱を注ぎ、偏見のない人物であると口を揃えて言う。最高人民法院長になってからは党の最高指導者の機嫌を取るために耐え忍んでいるようだと語っている。

 

視点

  • 中国の指導者は司法制度は権力を保護するための安全装置であると考えている。
  • 中国では共産党が国家であり、国民は共産党に従属するものである。
  • 改革実現のためには、時を待つしか無いのか。

 

 

参考資料:"China’s Chief Justice Rejects an Independent Judiciary, and Reformers Wince" by Michael Forsythe, New York Times 2017-1-18