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政治経済の動き

世界と日本の政治経済の考察

英日首脳のトランプ氏への対応

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前のめりの外交は「飛んで火に入る夏の虫」

英国メイ首相とトランプ大統領の会談

英国のテリーザ・メイ首相が1月下旬に米国トランプ大統領と会談した。会談後には、両国関係を特別な関係と確認。また、メイ首相はトランプ大統領を英国に公式に招待し、これに対してトランプ氏はこれを承諾。トランプ氏は難民の受け入れはキリスト教徒を優先すると宗教差別的発言も行った。

 

トランプ氏の人間性

メイ首相が英国を離れた後、トランプ氏はシリア難民及びイスラム7カ国からの市民の米国への入国を禁止する大統領令に署名した。トランプ氏は大統領がメイ首相にどのように影響するかは全く考えることがなかった。

 

英国内でのメイ首相に対するバッシング

メイ首相は帰国後トランプ氏の大統領令について質問を受けると米国の問題だとして関与しない姿勢を示した。メイ首相のトランプ氏に対する対応の不手際に批判が集中。インターネットサイトでトランプ氏をエリザベス女王への面会に反対する請願者の数が150万人を超えた。

 

トランプ氏にとっての同盟関係

アメリカ大統領との密接な関係は同盟国とりわけ英国、カナダ、日本、及びメキシコにとっては非常に重要である。しかし、同盟の重要性から、トランプ氏に接近しすぎると窮地に陥ることになる。トランプ氏は人間関係の構築には関心がなく、米国の雇用を増やすことだけである。トランプ氏は重要な同盟国に対しても無理難題を求めてくる。.

 

トランプ氏との付き合い方

メイ首相はトランプ氏が大統領に就任してから最初に会談を持った外国首脳である。トランプ氏への対応のまずさから、国内で批判を浴びることになった。トランプ氏と会談し、トランプ氏を擁護するような発言をすれば、自国で激しい批判にさらされる。トランプ氏は同盟国の首脳との会談においては、思いやりを見せるが、その後の行動により、彼らは窮地に立たされる。

メイ首相がトランプ氏との会談で直面した問題は彼は人間関係に重きを置いていないということである。

 

メイ首相の窮地

メイ首相の問題はトランプ氏に今年エリザベス女王を公式訪問するように要請したことである。トランプ氏の招待を取り消すことを議会に求めるネットによる請願では訪問により女王の立場が困難になることを懸念している。

英国首相官邸前には、抗議の群衆が詰めかけ、メイ首相に対してトランプ氏の公式訪問の取消を要求。更に、ワシントンとの関係は重要であるが、トランプ氏とは距離を置くことを求めている。

 

日本の首相の場合

安倍首相は最初からトランプ氏に面子を潰されている。ニューヨークで昨年11月、安倍氏と当時トランプ次期大統領との会談で、安倍氏はトランプ氏にTPPからの撤退を思いどどまるように要請した。

しかし、トランプ大統領の最初の仕事がTPPからの離脱であった。トランプ氏は日本の安全保障に米国が財政と軍事の両方で支援することに疑問を持っており、駐留経費の一層の負担を求めている。さらに、トヨタがメキシコに工場を建設することをも批判している。

このような悪条件下で、安倍首相はトランプ氏と面会して成果は無く、一方的に要求を突きつけられる恐れがある。

日本が中国、北朝鮮、それにロシアに隣接しており、日本の防衛を米国に依存していても、安倍首相が積極的にトランプ氏に取り入ろうとしている用に思える。安倍首相は6年間の長い期間をかけ、厳しい交渉のを経て、合意に至ったイタタTPPを大統領就任から僅か4日で崩壊させた本人を擁護するのには理解に苦しむ。

 

安倍首相の賭け(トランプ勝負)

安倍首相はトランプ氏について批判じみたことは一切言わず、2月10日にワシントンでの面会を予定している。トランプ氏が安倍首相の言葉に聞く耳を持っているかは甚だ疑問である。逆に、プーチン大統領のときのように、相手を利するだけで、何ら成果が得られないかもしれない。ドイツのメルケル首相のように、トランプ氏から距離を置いて、成り行きを見守っている。しかし、安倍首相はトランプ勝負に出た。

視点

  • 英国のメイ首相はトランプ大統領と良好な二国間の関係を確認するために会談を持ったが、トランプ氏の人種差別的政策に巻き込まれ、同氏を英国への公式訪問を要請したことで、窮地に立たされている。
  • トランプ氏は不人気を挽回するために、新たな敵を作り出そうとしている。アメリカ車が日本で売れないことを攻撃しょうとしたが失敗したため、通貨で攻撃を始めようとしている。安倍首相はアメリカは日本の同盟国と考えていても、トランプ氏はそのような思い込みは無い。
  • トランプ氏との関係を良くしようとして、安倍総理が前のめりになると、日本は貿易、安全保障などで大きな負担を担わされることになる。
  • 安倍首相は2月10日のトランプ氏との会談で、無理な要求を突きつけらる可能性がある。前のめりな行動はせずに、ドイツのメルケル首相のように、米国の政治が落ち着くまで静観するのが懸命なように思える。 

 

参考資料:"For Leaders of U.S. Allies, Getting Close to Trump Can Sting" by Steven Erlanger, New York Times 2017-1-30