読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

政治経済の動き

世界と日本の政治経済の考察

オランダにおける手作業による選挙集計

広告

アメリカ大統領選挙介入の余波

 

手作業による選挙集計

オランダ政府は2月1日、来月行われる選挙では電子集計は行わず、手作業で行うと発表。アメリカ大統領におけるハッカーと偽のニュースがもたらした混乱を考慮したものである。

 

欧州のポピュリズム

今年、オランダ、フランス、及びドイツで極めて重要な選挙が行われ、結果によってはこれらの国々が英国に続き欧州連合からの離脱の可能性の指摘がある。そのため、選挙結果は今後の欧州の運命を左右。現在、欧州では英国の欧州連合からの離脱や米国のトランプ氏勝利により右派ポピュリズムが勢いづいており、政権与党はこれらの圧力にさらされている。

 

アメリカ大統領選挙の影響

オランダ議会は最近、ロシア政府が大統領選挙に介入してトランプ氏を支援したこと、及び数百万人の不法移民者が投票を行い、これにより一般投票結果に影響が出たとするトランプ氏の主張について情報機関から報告を受け、議論を行った。

 

選挙介入への危機感

今回の国政選挙は欧州の運命を決定づける可能性があるため、オランダ政府は内外のハッカーによる選挙への干渉を防ぐための対応を迫られれいた。

 

投票の信頼性確保

投票の信頼性を確保するためには、投票者が確認可能な投票用紙追跡記録を用意して、投票者が投票が正しく行われたかを確認でき、蓄積された投票結果の確認を可能にすることが前提である。

 

オランダの投票集計システムの現状

オランダでは投票集計システム全体の脆弱性が指摘されている。2008年以来、選挙では投票用紙を使用しているが、投票所から最終結果の公表まで完全にコンピュータ化されてきた。

オランダのシステムに対して、ハッカーは投票結果を操作するために高度な技術を必要としない。ロシア、中国、その他の国のハッカーは容易に投票結果を改ざんすることが可能。

 

オランダの投票集計システムの脆弱性

月曜日に出された報告は専門家の意見やオランダが2009年以降使用している投票集計ソフトの調査からオランダの選挙では容易にハッキングされる可能性があると結論づけている。

 

オランダ政府の対応

オランダ政府は国内のハッカーが国の政策や世論に影響を与えるリスクが排除できないとしている。

オランダ政府はハッカーによる選挙介入を防止するために、従来の電子集計を取りやめてて手作業による集計を行う決定をした。

 

視点

  • ロシアのアメリカの大統領選挙への介入は、民主主義国家の根幹である選挙に多大な影響を及ぼしている。
  • 投票結果は民主主義の根幹であり、これについてリスクをとることはありえない。たとえリスクが少なくとも、可能性があることを認識して適切な対応が必要。、オランダ政府の決定は懸命な政治判断である。
  • 日本でも選挙の開票作業を迅速に行うために、文字認識技術を使った集計の機械化が進んでいる。このシステムもネットに接続された場合は、セキュリティーの問題が浮上。システムがネットに接続されると、ウイルスによりデータが改ざんされる可能性が生じる。民主主義を維持するためには、効率化よりも、投票集計信頼性及び投票の秘匿性の重要性を再確認する必要がある。 

参考資料:” Fearful of Hacking, Dutch Will Count Ballots by Hand” by Sewell Chan, New York Times 2017-2-2