一老人の思い込み

老人の目から見た日本と世界

米国は日本と肩を寄せ合ってゆく

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マティス国防長官来日の意味 

マティス国防長官の来日

マティス国防長官が2月3日午後、日本を訪問し、安倍首相と会談した。今回の韓国と日本への訪問は米国がアジア太平洋地域における安全保障にこれまで通り関与を続ける狙いがある。

マティス氏は先月行われた、米国上院公聴会で、「アジア太平洋地域は優先課題であり続ける」と明言。今回の訪問の主な目的は、同盟関係の見直しを大統領遊説中に示唆してきたトランプ大統領に対する懸念の払拭にある。

 

トランプ氏のこれまでの発言

トランプ氏は大統領遊説中は安保条約は一方向の条約であり、米国は日本側の一層の負担がなければ条約の見直しを迫るべきだと主張していた。

トランプ氏の矛盾する発言や成果主義を外交に持ち込む姿勢により同盟国は衝撃を受けている。トランプ氏の発現はこれまでの米国の政策とかけ離れ、政府内で混乱を引き起こしている。

 

東アジアを取り巻く環境

北朝鮮による大陸弾道弾による脅威、中国の南シナ海領域の専有の現実を目の当たりにして、トランプ政権はトランプ氏の選挙遊説中の発言を実質的に修正を迫られた。

 

トランプ政権のスタンスの変化

マティス氏はかって海兵隊時代に沖縄で任務についた経験があり、軍人としてトランプ氏に対して日米同盟の重要性を進言したものと思われる。

マティス氏は安倍氏との会談の冒頭で「100%米国は、首相と日本国民と肩を並べて歩みをともにすることに対し、一切誤解の余地がないものにしたい」と語った。

 

確認されたこと

マティス氏は米国の日本に対する防衛義務を定めた安保条約の第5条が「沖縄県の尖閣諸島に適用される」と明言。尖閣諸島に対する日本の施政権を侵害する、いかなる一方的な行動にも反対する考えを安倍首相に伝えた。

オバマ前大統領は3年前に日本訪問時に安保条約により米国は尖閣諸島を防衛する義務があると米国大統領として初めて公式に認めた。マティス氏は明確に尖閣諸島には言及しなかったが、氏はオバマ政権の約束を踏襲するものと思われる。

尖閣諸島に安保条約が適用されることを再確認したことは非常に重要であり、中国につけ入る隙きを与えることはなくなった。

米国は日本と韓国の安全保障に断固とした決意表明をすることにより、両国のみならず北朝鮮と中国に対する警告として機能。

1月10日にワシントンでトランプ氏と会談を予定している安倍首相の最大の不安材料は米国が尖閣諸島問題で中国と対峙している日本を防衛することの確認であったが、トランプ政権に対する日本の不安材料が軽減した。

 

視点

  • マティス氏は安倍首相に対して米国は日本との日米安全保障条約を守ることを明言。これはトランプ大統領が選挙遊説中に米国はアジアにおける安全保証を見直すとした発言を撤回したものである。
  • 安倍首相は行動が少し前のめりのところもあるが、トランプ氏と良好な関係が築けそうである。トランプ氏は型破りの実業家であり、政治家ではない。対応の仕方も非常に難しい。氏との関係は国益を左右するので安倍首相の努力は評価されるべきである。 

参考資料:” Jim Mattis Says U.S. Is ‘Shoulder to Shoulder’ With Japan” by Michael R. Gordon, New York Times 2017-2-3