政治経済の動き

世界と日本の政治経済の考察

マティス米国防長官の訪日が意味するもの

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トランプ氏による対中国交渉術 

マティス米国防長官の発言に対する中国の反応

米国防長官マティス長官による土曜日の日本施政権下の尖閣諸島防衛義務があるとの明言に対して中国政府は強い不満を示した。

中国外務省スポークスマンはマティス氏の発現は地域の安定を損ねるとし、氏に冷戦の思考を改めるように要求。

加えて、中国スポークスマンは尖閣問題は日米安保条約は冷戦の遺物であり、中国の領有権には何ら影響しないと強調。

スポークスマンは更に米国は責任ある態度を取り、尖閣諸島の領有権については誤った言及をやめ、問題を複雑にしないように求めた。

マティス氏の発言はトランプ氏が選挙遊説中のアジアの同盟国に対するアメリカの関与を減らすとした発言を撤回して、日本側に尖閣の防衛の再確認である。これにより、中国に対する外交的攻撃を仕掛けた。

 

中国の勢力拡大の一環としての尖閣諸島

尖閣諸島は中国が南シナ海と東シナ海で存在感を誇示するにつれて、日本との争点の1つになっている。

昨年中国は尖閣の領海に侵入。習近平主席は2013年には東シナ海の多くの空域を防空識別圏に指定。それ以降、監視の名目で、定期的に尖閣周辺に戦闘機を飛ばしている。

 

米国による韓国への軍事支援と中国の反発

マティス氏は日本を訪問する前、韓国に立ち寄り防衛に関与することを明言。これに対する中国側の反応は同様であった。

中国外務省は韓国への新型ミサイル防衛システムTHAADの配備に強く抗議している。

中国外務省は韓国に配備されるシステムは中国の核抑止力を無効にするもので戦略的な均衡を損ねると主張。

中国はすでに韓国に経済で圧力をかけており、THAADを配備した場合は強硬策に出ることを示唆している。

大統領の政治スキャンダルで韓国の政界は混乱を極め、この混乱に乗じて中国は野党「共に民主党」の懐柔政策にでて、THAADの配備を阻止することを画策。

野党幹部はすでに北京に2度訪問しTHAADの配備に反対することを中国政府に確約している。

トランプ氏による中国への対抗政策

マティス長官が日本を訪問しているその時、中国外務省の政策担当者がトランプ政権の安全保障アドバイザと電話会談を行った。

電話会談では習近平主席とトランプ氏との会談の準備が話し合われたもよう。

中国外務省は米国が米中の関係を強力に発展させ、懸案を適切に解決することを期待しており、2国は共通の利益を有し、強調することが可能であると考えていた。

大統領遊説中にはトランプ氏は中国を様々な懸案で批判を繰り返していたが、就任後はほとんど発言をしていなかった。

トランプ氏は大統領執務室で外国首脳を電話を会談を持ったが、習主席との会談は実現していない。

 

トランプ氏による中国政府への脅し

トランプ氏はこれまで米国がとってきた北京を認め、台湾を認めない1つの中国政策は不変なものでないと明言し中国政府に揺さぶりをかけている。

トランプ氏は中国とは貿易を始めとして様々な協議を行わなければならないのに、1つの中国に縛られることはないとメディアでのインタビューで語っている。

昨年12月の初めに、トランプ氏は米国が数十年間行ってきた外交政策を変更。トランプ氏は台湾の祭英文総統と電話会談を行った。それ以降、中国政府は1つの中国政策は交渉の余地がないことを繰り返し強調。

トランプ氏は中国を脅すための様々な「カード」を着実に準備している。

 

視点

  • トランプ氏は大統領就任後、台湾の祭総統から電話で祝辞を受けた。中国との交渉で、中国が妥協しなければ1つの中国政策の変更もありうることを示唆して中国側を慌てさせた。
  • マティス長官の最初の訪問地が韓国と日本であり、尖閣問題で日本側を安心させ、中国側に更なる圧力をかけている。今後のトランプ政権が中国との交渉を行う上での先制攻撃である。マティス氏の韓国と日本の訪問は中国に対するトランプ氏の交渉開始のシグナルである。
  • トランプ氏は型破りのキャラクターではあるが、米国民の約半数が氏に対してこれまでの懸案を解決してくれることを期待している。  

参考資料:”China Assails U.S. Pledge to Defend Disputed Islands Controlled by Japan” by Jane Perlezfeb, New York Times 2017-2-4