政治経済の動き

世界と日本の政治経済の考察

中国は1兆ドルの外貨を失う

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中国は為替操作が困難になっているトランプ氏の非難はあたらない

 

.3兆ドルの壁を下回る

中国の中央銀行は2月6日外貨準備高が1月現在約3兆ドルに減少したと発表。3兆ドルの壁を下回ったことは精神的に大きな影響がある。3年前の4兆ドルの外貨準備からの急落。

中国の外貨準備高は2011年に3兆ドルを超えた。当時、中国は世界経済を牽引する成長センターであった。

 

中国の為替操作

中国政府は自国の通貨である人民元の相場を必死に維持している。中国は日用雑貨、電気製品、など廉価の商品を輸出して世界から大量の金が流入するように長年に渡り、人民元の相場が安定させてきた。

 

輸出促進のための中国政府による為替操作

世界の財政原則によれば、金の流入は人民元の価値は他国の通貨と比べて

上昇するはずである。しかし、中国政府は輸出製品の競争力を維持するために、人民元の相場上昇を防いできた。その結果、中国が大量の外貨を保有するに至った。

 

巨額の外貨流入

海外からの金の流入のピークは2014年6月で、外貨準備高は4兆ドルに達した。外貨準備は通貨危機のときのためのものである。しかし、この大量の外貨準備高は選挙遊説中のトランプ氏などの格好の攻撃材料となった。

 

外貨準備高急減の原因

中国は現在でも輸出額が輸入額を大きく超えて、巨額な貿易黒字を出している。毎月の貿易黒字は400から600億ドルに達している。しかし、近年中国の経済成長は顕著に減速している。

中国企業や国民は海外投資や安全のために資産を海外に移し始めた。中国の中央銀行が何もしなければ、資産の流出により人民元の相場はドルに対して弱くなる。

人民元の買い支え

中国政府は人民元相場を支えるために毎月数千億ドルの外貨準備を取り崩している。人民元の相場が急落した場合は企業や国民は手持ちの資産を国外に移して損失を最小に防ぐことになる。外貨準備高の減少は中国政府が人民元相場の維持に必死になっていることを示す。

 

中国のジレンマ

中国は経済危機に備えて世界第2位の経済を支えるための外貨準備が必要である。中国の企業や国民が更に資産をドルに変えるような事態になれば、中央銀行は人民元の買え支えができなくなる。

 

中国経済の今後

外貨準備高の減少は中国経済の現状を示している。中国はこれまで世界から大量に流入した資金を使ってインフラ、工場、ビルなどを作ってきたが、この動きは確実に減少する。

 

トランプ政権による中国との貿易戦争

米国の貿易赤字の約半分は中国によるものである。さらに、中国が米国に4ドル分の商品を輸出しているのに対して、輸入はわずか1ドルである。中国が2015年に行った人民元の切り下げは米国の識者を怒らせている。米国はトランプ政権になり、中国の為替政策を攻撃し、貿易戦争を仕掛けた場合、中国経済は代打下句を受けることになり、その影響は日本にも及ぶ。

 

視点

  • トランプ大統領が非難してきたように、中国政府は自国の輸出を促進するために、これまで人民元相場を低く維持してきた。景気の減速により、中国の企業や国民は通貨安により資産の目減りを防ぐために、資産を海外に移し始めたた。中国政府は人民元相場を下支えしているため、外貨準備高の急激な減少が起こっている。
  • トランプ氏は中国が人民元を不当に安くしていると非難しているが、中国はこれ以上、下落しないように必死である。

 

参考資料:”How China Lost $1 Trillion” by Keith Bradsher, New York Times 2017-2-7