一老人の思い込み

老人の目から見た日本と世界

自動車業界の人工頭脳開発競争は何のため

広告

フォード、AIに10億ドル投資 

 フォードの巨額投資

アメリカの自動車業界は今後アメリカ人は車の個人所有が不要になると予測して莫大な投資を始めている。

フォードは2月10日自動運転車技術の開発のために、昨年12月に設立された人工知能開発の新興企業アルゴAIに5年間で10億ドルの投資を行うことを計画。

フォードはシリコンバレーのリソースの利用して、世界のトップレベルの開発競争に参入可能。

アルゴAIはフォードの子会社として、調達した資金を使って他企業からロボット工学やと技術の専門家をヘッドハンティングし、ジェネラル・モータース、クライスラー、Uber、それにGoogleの自動運転車の開発競争に加わる。

 

ライドシェア・サービス

欧米においては、UberやLyftのようなライドシェア・サービス企業の出現により、個人の車の所有の必要性が無くなりつつある。

 

フォードの新たな業態モビリティ・サービス

フォードの今回の巨額の投資の背景には、自社を車の製造会社から、個人の車を所有を不要にし、人を移動させる事業であるモビリティ・サービス企業に業態を変える狙いがあると言われている。

フォードは自動車の製造販売よりモビリティ・サービスに将来性を認めている。その理由として、車の製造には工場と雇用に莫大な費用を必要とするが、投資した金額を回収することは困難であることが上げられている。

 

シリコンバレーに拠点構築

戦略の一部として、フォードは自動運転車の開発競争に参入。そのため、シリコンバレーに拠点を構えて、ライドシェア・サービス、自動運転技術、及び関連分野の有力な企業の獲得に努めている。

必要な人材は大学からだけでは集めることが出来ない。そこで企業買収が積極的に行われている。

積極的な企業買収

過去7ヶ月で、フォードはサンフランシスコ・エリアのライドシェア・サービス企業Chariotを買収。更に自動運転車用の3次元マッピング技術を開発企業Civil Mapsに投資。昨年8月には、機械学習とコンピュータ・ビジョン技術の開発企業SAIPSを取得。

 

米国自動車業界もフォードに追従の動き

他の自動車メーカもフォードに追従。ジェネラル・モータースはUberのライバルでライドシェア企業のLyftに5億ドルを投資。更に、通常の車を高速道路で自動運転させることを可能にするセンサーと他の機器の製造メーカであるCruise Automationを取得済みである。

 

視点

日本は20世紀後半、モノ造り大国として世界をリードしてきた。車の製造や販売においてもアメリカを凌駕しており、トランプ大統領を悔しがらせている。しかし、アメリカの自動車産業は、モノからサービスに大きくシフトしつつある。日本の電子産業は、技術ではなく、世界戦略で韓国や中国に敗北してしまった。車の世界でも、その轍を踏まないように、世界の動きにもっと敏感になる必要がある。

 

参考資料:”Ford to Invest $1 Billion in Artificial Intelligence Start-Up” by Mike Isaac et. al, New York Times 2017-2-10